フラット35で検証!良い銀行と悪い銀行の見分け方

こんにちは、今日の記事はライター陣で最もカネに小うるさい、便座選びの貴公子こと、
帆士 優(@ruik_iehack / @ruik.architect)がお届けするよ。

「借りている期間はずっと金利が変わらないので返済計画が立てやすい
「固定だけど昔に比べて金利もかなり下がっている」といった声もあり、全期間固定金利が人気のフラット35

安定志向の方であれば検討したい住宅ローンですよね。

しかし、「フラット35ならどの銀行で借りても一緒」と思っている方はご注意ください。
全国で300以上の金融機関がフラット35を扱っていますが、条件はその各機関によって様々。
不動産屋・住宅会社に勧められたからといって適当に選んでしまうと損をする場合もあります。

今回は、フラット35をどの金融機関で選ぶかの判断基準についてご説明していきます。

住宅よりも高い買い物、住宅ローン。

目次

仕組み・特徴について

「フラット35」は住宅金融支援機構と全国の金融機関が提携して提供している住宅ローン。
低金利時代に突入し、変動金利だけでなくフラット35の金利もだいぶ低くなっているのが印象的です。

2020年8月時点の金利は下記をご覧下さい。

【フラット35】借入期間:21年以上35年以下
融資率 金利範囲 最も多い金利
9割以下 年1.310%~年2.060% 年1.310%
9割超 年1.570%~年2.320% 年1.570%
※借入額が「住宅の建設費または購入価格」の9割を下回る場合と超える場合で金利が異なります。

また、高い品質の建物を建築すると金利が一定期間優遇される「フラット35S」もあり、非常に借りやすくなっているのが特徴です。

チェックポイントは3つ

そんなフラット35ですが、先ほど述べたように扱っている金融機関によって条件が異なっており、トータルの支払い金額にも大きな差が生まれます。
どういった部分に気を付ければ良いか見ていきましょう。

借り入れ金利

上記の金利範囲でも9割以下だと金融機関によって「1.31%~2.06%」の差があります。

この金利差だと実際にどれだけ支払い金額が違うか検証してみましょう。

例えば、借入金額3,000万円、借入期間35年(元利均等返済)の場合

1.31%なら総返済額は3,742万円
2.06%なら総返済額は4,213万円

その差はなんと471万円。
同じ土地・同じ建物を選んでも金融機関によってこれほどの差になるのは大きいですよね?
金利については当たり前かもしれませんがしっかりとチェックしておきましょう。

ローンの融資手数料

金融機関にお金を借りるときには必ず手数料を支払わないといけません。
住宅ローンの場合、それが「融資手数料」に該当します。
実際に各金融機関のホームページを見ると金利はしっかりと明記しているところが多いのですが、融資手数料についてはちゃんと調べないとわかりにくい場合があるので注意が必要です。
では、融資手数料はどのくらいの金額かというと借入金額の1%~2%くらいが相場になっています。

例えば、3,000万円の借入金額の場合、

融資手数料が1%の場合、支払金額は30万円
融資手数料が2%の場合、支払金額は60万円

となり、1%違うだけで30万円の差が生まれます。
30万円あれば、家づくりにおいて、あきらめていた住宅設備のオプションを増やすことも可能かもしれませんね。

つなぎ融資利息

注文住宅を検討する場合、土地を購入してその後に建物建築を行います。
つまり、土地取得のためにまず土地代を支払わないといけません。
また、通常の住宅会社であれば、建築費用の支払いは建物完成時の一括払いではなく、着工時・中間時・完了時の3回に支払いを分割して請求するケースが多いです。

そのケースに対して、分割してお金を前借りすることを「つなぎ融資」といいます。
※引き渡し時の住宅ローンの実行時に一括返済となります。

大きな流れは下記をご覧下さい。
つなぎ融資申込 → 融資1回目土地取得費用 → 融資2回目着工金        → 融資3回目中間金 → 融資4回目建物完了時

ここで注意をしたいのが、つなぎ融資にも利息がかかってくる点。
しかも、その金利はフラット35の金利よりも高い傾向にあるのでご注意ください。

金融機関によって大きく差が出ますが、一般的には2~4%が相場になります。

ここでもシミュレーションをしてみましょう。

例えば、土地取得時に2,000万円のつなぎ融資を受けたとします。
この時点から建物の引き渡しまで6ヶ月かかり、その間の融資利息が3%だった場合、つなぎ融資の利息は

2,000万円(借りたお金)×6(借りた月)÷12(年換算から月換算に変更)×3%(利息)=30万円

となります。
合わせて、着工金・中間金も期間が異なりますが利息が発生してきます。
この利息差も家づくりのトータルコストに影響が出ますのでしっかりと事前に確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか?
家づくりでは「キッチンに食洗機をつけようかどうか」などと建物費用のやりくりに目が行きがちですが、金融機関の選び方・組み方・返し方も非常に大事です。
何故なら選び方によって支払金額が数十万円から数百万円の差になるからです。
フラット35を扱っている金融機関を選ぶときは「金利」だけで判断するのは危険。
金利が安くても「融資手数料」「つなぎ融資利息」が標準よりも高く設定している所もあるので注意が必要です。
選ぶときにはトータルでどこが一番お得なのかをしっかりと判断してきましょう。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

帆士である私は水まわりマニアの31歳。

リクルート入社時の証明写真を複数枚紛失し、日比谷公園の常夜灯に貼られていたことがある。おばあちゃんが漁師。
小説書きでもあり、そば打ちの名人でもある。三人の中では最もお金持ちだ。

目次
閉じる